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memoream

R-9-1


到着した部屋は通常の重力下にある普通の部屋のようだった。
ご丁寧に窓の外には都会の夜景も見えている。

【注釈】
この空間は2001年宇宙の旅の最後にボーマン船長が到着した部屋と酷似している。
いわゆる「白い部屋」と呼ばれているあれだ。
この空間は映画の中では突如現れた日常空間で、さんざん宇宙を旅してきたボーマンが謎の空間を経由して現れるだけあって相当なインパクトがあった。
日常空間が日常であるが故一番異様に見えてしまうという逆転の構図だ。
観客の視点はボーマンと一致している為、自分がどこに連れてこられたのか混乱する様に意図していると思われる。
映画は置いておいて、黒須はそのデビッド・ボーマンの役割を担っているらしい。
非現実的なルートを通ってきた後にギャラリー空間に放り込まれるとは。
そしてここは展示空間としては床が発行していて非日常的であり、通常のものとは異なる。
しかしこのような状況で作品と対峙することはある意味適しているように思われる。
H et Hの嗜好も強く反映しているのだろう。
このスペースで展示をしたい、という事を何かのインタビューで語っていたことがある。
どういった手段か分からないが、希望していた空間を何らか力で具現化したのかもしれない。