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memoream

R-2-1


なんだこれは。
少なくともさっきまでは神宮の杜の神宮ミュージアムにいたはずだった。そいつはいったいどこにいった。というかここはどこだ?周りは近未来的な建物ばかりで、しかも暗い。

ゆっくりと先ほどの彗星が空を横切っている。いくつも落下しているのだろうか。

「あまり時間がない。」
非常に落ち着いた、安心感を与える響きのある声だった。巨大なものが発している。そいつは右手に砂時計らしきものを持っている。
Melencoliaでも砂時計があったな。あれと何か関連があるのか?
それとも時間を計っているのか、とぼんやり思った。あれだけのサイズの砂時計だと相当長い時間が図れるのだろうな、と思った。

 

【注釈】
最初のシーンに出現したMelencoliaの彗星(monos)がまだここでも見えている。
monad
そしてDUAL=砂時計。
砂時計は落ちる前の砂と落ちた砂で成り立っている。落ちる前は未来、落ちた後は過去。同じ砂が位置によって意味が異なっている。対立的だ。
砂時計は時間のシンボルであると同時に死のメタファーでもある。命の刻限が次第に減っていくことを象徴している。
「時間が無い」と彼が言っているが、そもそも時間は常に無い、とも言える。何かが巨大であるだけで物事の意味は変容する。もし今出現したロボット(と言っておこう)が小さかったら全く別の感情が芽生えていただろう。大きいというだけで畏怖の対象になる。
今回は大きいうえに声もいい。良い音声はそれだけで人々に訴えかける何かがあるし、コンテンツ(内容)を無効化してしまう事も起こり得る。
黒須にしてみたらたまったものではないが。